今回はダイニングキッチン+リビングを解説します。
ダイニングキッチンそしてリビングは基本的に一体の空間です。
ですが、そのままだと今ひとつそれぞれのゾーン分けが曖昧なので、
今回は
①床の仕上げの違い
②床の段差
③天井高さの変化(段差)
によって、視覚的/体感的にキッチンゾーン、ダイニングゾーン、リビングゾーンを分ける事を考えました。
まずは、①の床仕上げの違いです。
ダイニングキッチンは ” コンクリートの床 ”
リビングは ” 無垢のフローリングの床 ” と
仕上げを変える事で視覚的なゾーン分けをしたいと考えました。
次に、②の床の段差です。
キッチンダイニングとリビングには約10cmの段差をつけています。
床仕上げの違いと合わせて、段差をつける事で、
一段上がる、又は一段降りる、という動作が発生し、
体感的に、それそれのゾーンを感じてもらえるのではないかと考えました。
最後に、③の天井高さの変化(段差)ですが、
キッチン部分は、他の天井より20cm程天井を下げています。
この天井の段差で、視覚的にキッチンゾーンとダイニングゾーンを分けています。
キッチンは、料理をする一定の時間そこにいる場所なので、開放的な空間よりは、落ち着きを感じる空間の方が良い。
と、僕は思っています。
そこで、天井高さを少し抑えてあげる事で、落ち着きのある、籠った空間にしたいと考えました。
キッチンに立った際、
天井の低いキッチン部分から天井の高いダイニング、そしてその先には外の自然が見えるウッドデッキ。
と、少しずつ開放感の度合いが上がる配置、空間構成とする事で、人の動きと視線の動きが違和感なくリンクできればいいな。
と考えました。
加えて、下がった天井部分には間接照明が設置してあり、照明の演出効果も期待できます。
また、この段差をつけることで、天井面に影を作り、奥行感を増すことで、短調になりがちな平らな天井に変化を与えています。
天井面に角(かど)を見せ、水平ラインを強調することで、より繊細な印象になると考えました。