先日、住宅遺産トラスト主催の
「伊藤邸(旧園田高弘邸)音楽と建築の響き合う集い」に参加しました。
いつか見学したいとずっと思っていた伊藤邸(旧園田高弘邸)
ピアニスト三木香代氏の美しい演奏と建築家伊礼智氏の解説に続き、
吉村順三氏設計の邸宅をじっくり見学するという
まさに贅沢な内容です。
戦後10年・1955年に建てられた伊藤邸(旧園田高弘邸)は、増築前の77㎡という限られた空間の中で、
巧みな設計により驚くほど開放的で、且つ、籠り感のある空間を実現していました。
吹き抜けとコーナー窓、各素材の対比、そして、緻密な寸法操作が生み出す心地よい空間は、写真で見ていた以上に感動的でした。
過去の対談で、
吉村建築は「生き生きとした場」といった話がありましたが、まさにその通りだと感じました。
人の動きが見えるというか、建築が動きを誘導するというか・・・
天井高さ・手摺壁の高さなど、単純に『高さが低い』という事ではなく
腰を下ろす・見下ろす、といった動作に連動する設計は、空間をより多様で活発なものにしている印象を受けました。
改めて資料や書籍を読み解き、
伊藤邸(旧園田高弘邸)の設計を深く理解することで、自身の設計にも活かせる要素を探していきたいと思います。